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会社情報

当社の事業展開状況について

2018年8月1日
ヤマヨ試験器有限会社 代表取締役 山本修
創業者 山本喜万(現技術室長)

1. 当社の事業内容及び活動の要点


当社の営業活動の品目は、絶縁材料評価試験に関する下記の3点です。
 a.絶縁材料評価試験器の製造・販売
 b.校正・メンテナンス
 c.関連試験の受託

上記営業品目の性能と信頼性向上を目指し、下記の5点をポリシーとして活動しています。
(1)自社で継続使用し、問題がないと判断した装置のみ販売。
(2)国内技術委員会メンバーとして活動。(IECの技術委員会、関連JIS制定委員会)
(3)依頼試験と装置製作を行うことで、評価技術と装置技術の両方の技術サービスが可能
(4)電気理論力の向上
(5)外部有識者との連携による技術力、信頼性の向上

上記ポリシーを達成するための活動内容を2項~4項に記載します。2項では日立化成当時の活動内容、3項はヤマヨ試験器設立と事業継続のいきさつ、4項はヤマヨ試験器の活動内容です。


2. 創業者が日立化成株式会社(以下日立化成と称す)当時に業務を開始した背景


1975年~2002年創業者は日立化成の主力製品の1つである電気絶縁材料の評価を担当しました。日立化成当時から、本業務を全うするために次の活動をしてきました。

(1)試験装置の試作、改善と市場への紹介

材料の性能評価を行うために試験装置を入手する必要が生じましたが、販売されている装置は見当たりませんでした。 そこで、自社(日立化成)で試験装置を試作し、自社の材料の評価に使用しながら、試験装置の改善を重ね、問題がないと判断した試験装置を市場に紹介してきました。
(2)研究活動成果の報告

材料の評価方法の信頼性向上に関する研究成果とその評価装置をプラスチック業界や電気学会の報告会等の場で発表してきました。 その結果、多くのエキスパートの指導を受け、材料の評価技術向上や試験装置の性能向上に活かしました。
(3)IEC TC(国際電気評議会の技術委員会)等に参加

(2)で記載した活動内容が関連技術委員会の責任者等の目に触れ、電気学会管轄のIEC技術委員会やプラスチック関連業界の試験方法改善委員会の委員に推薦され、それらの委員会活動を通して得られた技術を自社の材料の評価技術の向上や試験装置の改善に反映させる活動を継続してきました。
(4)材料の用途や受けるストレス等を把握し、それに適した評価方法の構築と実施

材料の劣化メカニズムの把握や評価方法の構築、試験装置の製作等を行うために、電気関係の基礎知識・理論を修得することが不可欠と考え、電験を受験し、順次取得してきました。 以上が日立化成当時の活動です。


3. 創業者の当社(ヤマヨ試験器)設立と事業継続


日立化成を定年退職後、2003年に当社を設立しました。幸い当社は電気絶縁材料の評価技術のエキスパートとして認められ、日立化成当時から所属していたIECの技術委員会(TC)やJIS制定委員会に継続して委員となり、情報が入らない問題点は解決してきました。
従って、当社設立後も下記の3点を継続して実施中です。
a.絶縁材料評価試験器の製造・販売
b.校正・メンテナンス
c.関連試験の受託
経営環境が大きく変化している現在、未来においても、永遠のテーマとして、上記営業品目の性能と信頼性向上を目指しています。
上記目的達成のため、当社が現在行っている活動状況を事項に記載します。


4. 技術力及び信頼性向上のための事業展開状況


4.1 装置販売のポリシー

先に記載したように、装置の販売にあたっては、基本的に当社が使用し、問題がない事が確認できている装置のみを販売しています。但し、一部の装置は、当社で使用している装置の技術の組み合わせで対応できると判断した場合は、当社で使用していなくても製造・販売しています。
現在当社が使用し、問題ないと判断して、製造・販売している装置は以下の通りです。
1.グローワイヤー試験器
2.耐トラッキング性試験器
3.絶縁破壊試験器
4.耐電圧試験器
5.塩水噴霧耐トラッキング性試験器
6.傾斜平板耐トラッキング性試験器
7.耐アーク性試験器(一部条件有)
8.燃焼性試験器

4.2 技術委員会活動について

当社は主として依頼試験の信頼性向上のため、IECのTC(技術委員会)、関連JIS規格制定委員会等に所属し、その活動を通して評価技術の向上に努めています。
現在当社が所属している技術委員会と活動内容は以下の通りです。
(1)IEC-TC112委員会 本TCの活動事項は[電気絶縁材料とシステムの評価と認定]です。 本TC(テクニカルコミッティー)には、WG(作業部会)が8つあり、当社はWG3とWG5の2つの作業部会に所属しています。 ・WG3は絶縁強度関係で、対象IEC規格は6つあります。 (絶縁破壊試験、耐電圧試験、繰り返しインパルスによる部分放電計測等) ・WG5は耐トラッキング性技術関係で、対象IEC規格は5つあります。 (滴下式トラッキング、傾斜平板トラッキング、耐アーク性、回転円板浸せきトラッキング性等) 上記2つ以外のWGには入っていませんが、下記の3つのWGについては、JIS規格制定委員会に所属しています。 ・WG1,6:熱的耐久性評価関係  ・WG4:絶縁抵抗と誘電特性試験
(2)IEC-TC89委員会 本TCの活動事項は[耐火性試験]であり、WG12の中のグローワイヤー試験の作業部会です。
(3)JIS規格制定委員会での活動 関連のJIS規格制定委員会の委員として活動しており、2014年度は絶縁破壊試験方法規格(JIS-C2110)を改定する予定です。

4.3 情報取得及び能力向上活動について

先に記載したように日立化成当時と異なり、情報等が入りにくい状況にあるので、それを補充するため、下記の活動を行っています。
(1)耐火性評価関連技術(主としてTC-89委員会)の情報入手 本TCは、当社が営業している装置と依頼試験との関連が大きいので、技術情報取得のため、(社)日本合成樹脂技術協会のプラスチック電気用品安全研究会の委員長にお願いして、1回/月 当社にご来場いただいていましたが、当研究会の活動が終了となった為、現在は休止して、技術委員会や公的機関より情報を得ています。
(2)公的機関との連携 関連技術の位置付けの高い公的機関と連携することで、評価能力の向上や関連情報入手に努めています。 連携の方法は装置の納入と定期的なメンテナンスの実施等で、その活動を通し情報交換をしています。 加えて、それらの機関が活動した実績を纏めた報告書等入手しています。 主な連携機関は、独立行政法人 製品評価研究基盤機構(NITE)と一般財団法人 電気安全環境研究所(JET)です。